【マラソン エッセイ3】この国の教育政策を憂いてみた。

今年ノーベル賞を受賞した下村さんと益川さんの言葉が非常に印象的だった。
教科書について
下村さん *1

「問題を解くことにウエートが置かれている。大変コンパクトになっていて肝心なことが1行、2行で書いてある。(中略)分厚くていいから読本というようなアプローチが必要ではないか」
大学入試について
益川さん*2
 「選択式の試験問題で、教師は『知らない問題はパスしろ』と指導し、考えない人を育てている」
研究について
*3
「上流(基礎研究)を枯らしたら下流が枯れる。科学の道は50年、100年のオーダー。結果が出るのはすぐではない」
下村さん
「難しい研究課題が避けられる傾向がある。困難に直面してもあきらめず、目標に向かって突き進み、最後までやりとげてほしい」

つまるところ、お二人が申していることは学問は考えることと克服することが肝要なのであるということ。

つまり、教育の現場において、すべてが簡易なシステム、マニュアル化しているという事である。

「家庭の中」「学校と家庭」「教師と生徒」の中で共に考え克服するという事をしていない。

マニュアル化された、教育指導要領をただ、読めば良い、質問はするな、新しい考え方はするな。という事で

今までの教育の現場でのシステムだったのだろう。

これでは、人は成長しないのである

実際、社会は、マニュアルやわかりやすい入門書だけが横行し、難しい書物はだれも手にしない、

難しいものをわかろうともしない。

私のいる環境でもそうである。

求められる事は経営者やお客さんが考えず、理解できる絵を描けば良いと求められる

つまり決済者に対して考えたり悩んだり、新しい事を学ぶという刺激を社会というシステムは好まない

ピラミッドの上に行けば行くほど、人は何も考えなくなる。

これだから、日本という社会は発展ができなくなってしまったのである。

考察する力が欠如し、知ったかぶりと、口八丁で動く社会になってしまっているという事だ。

そして、考察し、真実を探求するものは疎まれるのである。

また、基礎力というのも欠如している

誰かが、開発して考え方や、システムの真似事うわべだけの理解で、物を売ろうとする

これは詐欺なのである。
基礎力がなければなにも表現できないし、創れないのである

基礎力は人間に対して指数的な効果を与える

例えば、音楽で解説してみます。

楽譜も読めなく楽器も奏でた事のない人は、初め何をするか

音の高さを一音一音数えて、音の名前を書いていきます
音がわかったところで、楽器の音を奏でるまでに相当な時間と努力を要します。

しかし、これだけの時間と労力を過ごし、得とくした、譜読力と楽器を奏でる技術をみにつけたら
あるとき、難なくできるようになっているのです

これが難なくできるようになったら、次の壁、曲想を理解し其れを表現する、技術を修得する
さらに、多くの時間を費やし、曲を表現できるようになる

そして様々な曲に対して同様のチャレンジを繰り返し、表現力と技術を磨くのである

決して、うわべだけで人に何かを表現する事はできないのである。

基礎を積み重ねてこそ本当の表現力を持つ事ができる。

そして、この修得した技術や表現力をよりよいするものにするために、さらに研鑽を繰り返さなくては

その力は維持できなく、発展もないのである。

つまり、社会においてもそうなのである、

文系で大切な事は、文字や文法を間違えなくするためではなく、どうやって、人に表現するか、また、どうやって人

の表現を理解し、多くの事を読み取れるかが大事なのです。決して、文字の間違えや文法の間違えを除いた、教師に

とっての最適解ではないのである

理数系で大切なことは、いかに多くのアプローチプロセスを考察して、誰もが納得いく証明に導く為の努力をし続ける

事が大事なのであって、決して最速で答えを導き出す事が大事なのではない。

社会で必用なのは、歴史の必然性を考察し、人間の思考のプロセス、発展のプロセスを理解し未来に繋げる、知恵を得ることであって、不確定な年表を丸暗記することではない

地理で必用なのは、世界のシステムがどのような地政的な位置づけにあり、宗教、貧困、民族問題を理解し、現在の課題を建設的に探求するものである、決して 国名、人口などを暗記するものではない。

法律は、六法全書や判例、裁判例を丸暗記するのではなく、現状で最適な判断ができ、国民の規範となる法律を常に考察して判断する力をみにつけ、常に時代と共に最適な社会規範を実現させる為の学問である

いずれにしても、学問を教える事、学問を学ぶためには、相当な時間と労力が必要であり、人それぞれの資質に合せ学び、人を育てていかなくてはならないと思う。

こういう素養確立され、こういいた教育の中で人が育ち、この環境の中から輩出した人達が、議論を行い、この国を変えていかなければ、ならない。

今、この国を変えようとしてもそれは無理、今必用なのは、国力をつけるための教育システムを早急に構築して、未来に継投しなければならない。

これが日本国に対しての最善の投資であると思う。

現在の我々はそのための政策をうちださなければならないではないのか?


                                             了

*1: 下村脩 理学博士 緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見と生命科学への貢献

*2: 益川敏英 理学博士(名古屋大学小林・益川理論とCP対称性の破れの起源の発見による素粒子物理学への貢献

*3:益川さん