女性が俺なんて事をいってはいけません。
私の手元にある1994年の岩波新漢語辞典によると
【俺】 われ、おのれ、わし、おれ。 もと、中国の俗語の一人称代名詞
でもって、その語源の【己】は自分、象形もじから来たようだ
日本では 「うら」 【▽己】とよみ、転じて、うぬ 【▼汝・▽己】
二人称。相手をののしっていう語になる。
時代劇やラオウが使う 「うぬ」 複数形 「うぬら」 【▽己▽等▽達・】
それがなまって、「おいらたち」になり、更に「おれっち」になり、
「おれっち」の単数形がなぜか 「俺」になった
そして、下賎な俺がいまでは尊大語になっているわけです。
数奇な運命の「俺」なのです。
確かに、昔の子連れ狼をみていると 女の人が「うぬら」「うぬ」を使用しています。でも、武士は使いません、なぜか信長が使うパターンがありますが、それは、漫画の影響でしょ、信長のキャラを極道に置き換えて
そうなったのでしょう。
いづれにしても、うぬぼれ 【己惚れ】のうぬを使うのが正しいわけで、
俺なんて言葉は元来、カッコの悪いものなのです
俺に様をつけるという事は「おいら様」と呼んでいるようなもんで
威厳にもなんにもなりません。
従って、女の子にはとっても似合わないのですよ。
うぬであれば うぬ【×汝/▽己】汝 「なんじ」とも呼べるので
これから、女性は「汝」を想起し「うぬ」と称するが良い。
そんなわけで、ここに、「僕、俺」廃止運動に勤めようと思いますが、だめででしょうか?
「俺のような男が」そんな事をいっても、本当に意味ないですね。
渡世人達が日陰に生きて自らを卑下した呼び方、そのストイックさが判って初めて、カッコよく使えるんですよね。
言葉の文化は奥が深いですね。