褌は神をまといし神聖で禊な着衣なのである
日本の神話にとって最初で最大の夫婦喧嘩である最大の離婚劇の
イザナギ イザナミの喧嘩の末に登場するのが 褌なのです。
まずはわかりやすく青空文庫
「わが夫の神よ、それではこのしかえしに、日本じゅうの人を一日に千人ずつ絞(し)め殺してゆきますから、そう思っていらっしゃいまし」とおっしゃいました。神は、
「わが妻の神よ、おまえがそんなひどいことをするなら、わしは日本じゅうに一日に千五百人の子供を生ませるから、いっこうかまわない」とおっしゃって、そのまま、どんどんこちらへお帰りになりました。
神は、
「ああ、きたないところへ行った。急いでからだを洗ってけがれを払(はら)おう」とおっしゃって、日向(ひゅうが)の国の阿波岐原(あわきはら)というところへお出かけになりました。
そこにはきれいな川が流れていました。
神はその川の岸へつえをお投げすてになり、それからお帯やお下ばかまや、お上衣(うわぎ)や、お冠(かんむり)や、右左のお腕(うで)にはまった腕輪(うでわ)などを、すっかりお取りはずしになりました。そうすると、それだけの物を一つ一つお取りになるたんびに、ひょいひょいと一人ずつ、すべてで十二人の神さまがお生まれになりました。
神は、川の流れをご覧になりながら、
原文は
時伊弉冊尊曰。愛也吾夫君、言如此者。吾当縊殺汝所治国民、日将千頭。伊弉諾尊、乃報之曰。愛也吾妹、言如此者。吾則当産日将千五百頭。因曰。自此莫過。即投其杖。是謂岐神也。又投其帯。是謂長道磐神。又投其衣。是謂煩神。又投其褌。是謂開齧神。又投其履。是謂道敷神。
これが
アマテラス、スサノオやツキヨミが生まれるシーンである
褌がどれだけ神聖なものなのかこれでお判りになると思う
朝の禊から夜まで 神聖な褌を日本人は着用しているのがのぞましい