再掲 大阪テント住民票請求について

何度よんでも理解できない
被告(自治体)の主張になんら問題は感じない。
地方行政の公共財という観点が抜けている。

河川敷や 洞窟に緊急避難的 しかも戦後(昭和29年、31年)すぐの事例出してそれを裁判例とすること事態次元が違うし 合理的な判断とはいえない。

また原告の行政サービスが平等に受けられないといっているが
原告は不法占拠であるし 特に選挙権やサービスを受けようという意思は後からの口実にしか過ぎない。 それらのサービスを受けたいのなら しかるべき施設で指導を受けながら 社会復帰に全力をあげ それに伴う支援を受けるのが通りであると思う。


http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/c1eea0afce437e4949256b510052d736/1cccd41134377f3a4925711b0005f766?OpenDocument


◆H18. 1.27 大阪地方裁判所 平成17年(行ウ)39号 住民票転居届不受理処分取消事件


事件番号  :平成17年(行ウ)39号
事件名   :住民票転居届不受理処分取消事件
裁判年月日 :H18. 1.27
裁判所名  :大阪地方裁判所
部     :第2民事部

判示事項の要旨:
住民票転居届不受理処分が違法であるとして取り消された事例



主  文
1 被告が原告に対し平成16年4月20日付けでした住民票転居届不受理処分を取り消す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
 主文と同旨
第2 事案の概要
 本件は,平成10年ないし11年ころから大阪市a区b町c丁目,d丁目所在のb町公園で居住を開始し,平成12年3月ころからb町公園内にテントを設置して居住してきたと主張する原告が,被告に対し,平成16年3月30日付けで上記テントの所在地である「大阪市a区b町c−e b町公園f号」を住所とする転居届(以下「本件転居届」という。)を提出したところ,被告は,原告に対し,同年4月20日付けで本件転居届の不受理(以下「本件不受理処分」という。)を通知したなどと主張して,本件不受理処分の取消しを求めた事案である。
 1 争いのない事実等
(1) 大阪市a区b町c丁目,d丁目に所在するb町公園は,都市公園法に基づき大阪市が設置,管理する都市公園である(乙2)。
(2) 原告は,平成10年ないし11年ころからb町公園を起居の場所とする生活を開始し,平成12年ころからb町公園の南西隅に設置されたテント(以下「本件テント」という。)を起居の場所として日常生活を営んできた(原告本人,弁論の全趣旨)。
(3) 原告は,平成13年2月16日,「大阪市a区g町h−iA荘東j階B方」を住所とする届出をした(当事者間に争いのない事実)。
(4) 原告は,被告に対し,平成16年3月30日付けで,本件テントの所在地である「大阪市a区b町c−eb町公園f号」を住所とする転居届(本件転居届)を提出した(当事者間に争いのない事実)。
 被告は,原告に対し,同年4月20日付けで本件転居届の不受理処分(本件不受理処分)を通知した。本件不受理処分の通知書(以下「本件通知書」という。甲2)には,被告が本件転居届を受け付けることができない理由として,「今回の事例について,個人がb町公園内に住所を有することができるかどうかについて,公共の用に供する公園に私的な工作物を設置することは,公園の適正な利用を妨げるもので認められるものでなく,したがって,社会生活の客観的事実のなかで裏付けられているとは言いがたく,住所とは認められない」旨記載されていた(当事者間に争いのない事実,甲2)。
(5) 原告は,大阪市長に対し,平成16年6月10日,行政不服審査法に基づき,本件不受理処分に対する審査請求(以下「本件審査請求」という。)を行ったが,大阪市長は,同年12月27日,上記審査請求を棄却する旨の裁決(以下「本件裁決」という。)をし,原告は,同日,上記裁決書を受け取った(当事者間に争いのない事実)。
(6) 原告は,平成17年3月16日,本件訴えを提起した(当裁判所に顕著な事実)。
 2 争点
 本件の争点は,本件テントの所在地が住民基本台帳法(以下「法」という。)にいう住所に当たるか否かである。
(被告の主張)
(1) 法の運用規定である住民基本台帳事務処理要領第1の3は,住所の認定に当たっては,客観的居住の事実を基礎とし,これに当該居住者の主観的居住意思を総合して決定するとあるが,上記客観的居住の事実とは,社会通念上,当該者の住所はここであると解されるような事情にあることをいうものであって,原告が主張するような,数年来公園内で簡易工作物であるテント(本件テント)で生活していたことのみによって,上記客観的居住の事実が認められるものではない。
 一般的に,テントのような設置や撤去が容易に可能である簡易工作物は,自己の所有地又は賃借地に設置して一定期間継続して生活しているような特別な場合を除き,一時滞在用で定着性がないものであるから,社会通念に照らせば,テント等での生活をもって客観的居住の事実があると認めることはできない。
 まして,公園,道路その他の公共利用に供する土地の上に何らの権限もなくテントが設置されている場合においては,公共施設管理者による法令に基づく除却命令の対象となるなど,民有地にテントが設置されている場合と比べ,より一層不安定な状態であり,その意味においても社会通念上定着性があるとは認められない。b町公園は都市公園法に定める都市公園であるところ,b町公園においては,平成3年から,都市計画法59条1項に基づき大阪府知事から事業認可を受けて再整備工事を行っており,本件テントが設置されている場所は現在未整備地域となっているが,同地域についても再整備が予定されている。そして,b町公園の再整備を実施する中で,必要に応じ,b町公園内の工作物占有者に対し,工作物の撤去指導等が行われ,平成15年6月以前は,工作物占有者も比較的これに従っていた。現在でも,被告公園事務所職員がb町公園を巡回してテント周辺の整理等の指導をし,自立支援センターに入居した者のテントは順次撤去するなどの措置を採っている。このように,被告は,本件テントを含むb町公園のテントについては撤去に向けた努力を行っており,b町公園整備計画等により,占有権限のないテントはいずれは撤去されるのであるから,本件テントの土地に対する定着性は極めて不安定である。
(2) 原告は,本件テント及びその周辺の工作物がいずれも金属製単管,角材,合板,ベニヤ板,ブルーシート,簡易テントなどを組み合わせて作られていると主張する。しかし,このことは,原告が,本件テントが被告が主張するような簡易工作物であることを自認するものである。本件テントも,ブルーシートをかぶせた簡易な工作物である。なお,刑法上の現住建造物に該当するか否かと設置や撤去が容易に可能である簡易工作物といえるかどうかとは無関係である。
(3) 原告は,郵便物を受け取っていることを理由に,本件テントが定着性を有し,その所在地が法にいう住所である旨主張する。しかし,郵便法は,郵便のあて先として住所のみならず居所も予定している(同法44条参照)。また,大阪市市民局市民部区政課長あての大阪中央郵便局第三集配営業課長の回答(乙3)では,大阪市a区b町c丁目e番b町公園内をあて先とする郵便物については,郵便受箱が設置されている公園内のテントに配達する取扱いとしているが,実際はb町公園内のテント村周辺で郵便配達員が声をかけ,該当者に直接手渡すとのことであり,上記あて先地を住所であると認識して配達しているのではない。以上を勘案すれば,郵便物が原告に届いていることをもって,本件テントの所在地が原告の住所であるということはできない。
(4) なお,原告らについては,自立支援センター等の活用により住民登録をすることが可能であり,生活保護等は住民登録がされていなくても可能であるから,原告が本件テントの所在地で住民登録を受けることができなくても原告が主張するような不利益はない。
(原告の主張)
(1) 法にいう住所の認定は,正当な居住権限ないし占有権原の有無によって左右されるものではなく,上記住所を認定するに当たって問題となる「客観的事実」の有無については,当該場所に生活の本拠があるかどうかだけを判断すべきである。原告は,数年間にわたって,「大阪市a区b町c−eb町公園 f号」に所在する本件テントを生活の本拠とする意思を有し,かつ,客観的に同所を生活の本拠としている。
(2) b町公園には,現在,本件テントを含め数十棟の住宅があるが,これらの住宅は,いずれも,金属製単管,角材,合板,ベニヤ板,ブルーシート,簡易テントなどを組み合わせて作られている。また,炊事洗濯をすることもできる。原告は,このような場所に家具や荷物を置き,生活の場としてきた。本件テントを含むこれらの住宅は,容易に設置や撤去が可能である簡易工作物ということはできず,刑法上も建造物と判断されるべきものであって,裁判例においても現にそのように判断されている。
  また,原告は,数年来,「大阪市a区b町c−eb町公園f号 原告」あての郵便物を,配達証明付き郵便を含め,同所所在の原告住居(本件テント)において受け取っている。このことは,原告の本件テントにおける居住が一時滞在ではなく定着性を持つものであることを示している。
(3) ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法2条は,ホームレスを都市公園,河川,道路,駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし,日常生活を営んでいる者をいうとしているところ,上記施設が起居の場所として利用され,同所において日常生活が営まれていれば,同所は住所というほかない。すなわち,同法は,上記施設が住所となり得ることを想定しているのであり,少なくともこのことを排斥はしていない。
(4) 本件不受理処分により,原告は,国民の重要な権利である参政権(選挙権,被選挙権,条例の制定改廃請求権,事務の監査請求権,議会の解散請求権,主要公務員の解職請求権)を行使することができないばかりか,国民健康保健やパスポートの交付等も受けることができず,憲法上の諸権利や法律で保障された様々な住民サービスを享受する権利ないし法的利益が侵害されている。
第3 当裁判所の判断
 1 本件訴えの適法性について
  法31条の4は,法の規定により市町村長がした処分に不服がある者は,都道府県知事に審査請求をすることができ,この場合においては,異議申立てをすることもできる旨規定し,法32条は,法の規定により市町村長がした処分の取消しの訴えは,当該処分についての審査請求の裁決を経た後でなければ,提起することができない旨規定している。ところで,行政不服審査法(以下「行服法」という。)20条本文は,審査請求は,当該処分につき異議申立てをすることができるときは,異議申立てについての決定を経た後でなければ,することができない旨規定しており,法31条の4の規定からすれば,法の規定により市町村長がした処分に不服がある者は,異議申立てについての決定を経た後でなければ,審査請求をすることができないものと解する余地もなくはないところ,原告が本件審査請求に先立ち,本件不受理処分について異議申立てをしてこれについての決定を経た事実を認めるに足りる証拠はない。
  しかしながら,行服法20条ただし書1号は,処分庁が当該処分につき異議申立てをすることができる旨を教示しなかったときは,異議申立てについての決定を経た後でなくても審査請求をすることができる旨規定するところ,証拠(甲2)によれば,本件通知書には,「この決定(本件不受理処分)は,行政不服審査法(昭和37年9月15日法律第160号)の処分の対象となるため,不服がある場合は,この決定を知った日の翌日から起算して,60日以内に大阪市長に対して審査請求をすることができます。」とのみ記載されており,同記載からは,本件不受理処分について異議申立てをすることができるとの趣旨を読み取ることはできず,他に被告が原告に対し本件不受理処分について異議申立てをすることができる旨を教示した事実を認めるに足りる証拠もないから,行服法8条1項ただし書1号にいう処分庁が当該処分につき異議申立てをすることができる旨を教示しなかったときに該当するというべきである。
  そうであるとすれば,原告は,本件不受理処分につき,異議申立てについての決定を経ていなくても審査請求をすることができるものというべきであるから,本件審査請求は適法であり,これについての本件裁決を経た後に提起された本件訴えは適法である。
 2 本件不受理処分の適法性について
(1) 法1条は,この法律は,市町村(特別区を含む。以下同じ。)において,住民の居住関係の公証,選挙人名簿の登録その他の住民に関する事務の処理の基礎とするとともに住民の住所に関する届出等の簡素化を図り,あわせて住民に関する記録の適正な管理を図るため,住民に関する記録を正確かつ統一的に行う住民基本台帳の制度を定め,もって住民の利便を増進するとともに,国及び地方公共団体の行政の合理化に資することを目的とする旨規定し,法3条1項は,市町村長は,常に,住民基本台帳を整備し,住民に関する正確な記録が行われるように努めるとともに,住民に関する記録の管理が適正に行われるように必要な措置を講ずるよう努めなければならない旨規定する。
 法5条は,市町村は,住民基本台帳を備え,その住民につき,法7条に規定する事項を記録するものとし,法7条7号は,住民票には,住所及び一の市町村の区域内に新たに住所を変更した者については,その住所を定めた年月日について記載をする旨規定し,法8条は,住民票の記載,消除又は記載の修正は,法30条の2第1項及び第2項,法30条の3第3項並びに法30条の4の規定によるほか,政令で定めるところにより,法の規定による届出に基づき,又は職権で行うものとする旨規定する。そして,法8条を受けて,住民基本台帳法施行令(以下「施行令」という。)11条は,市町村長は,法の規定による届出があったときは,当該届出の内容が事実であるかどうかを審査して,施行令7条から10条までの規定による住民票の記載,消除又は記載の修正を行わなければならない旨規定する。
 他方,法3条3項は,住民は,常に,住民としての地位の変更に関する届出を正確に行うように努めなければならず,虚偽の届出その他住民基本台帳の正確性を阻害するような行為をしてはならない旨規定し,法21条は,住民としての地位の変更に関する届出は,すべて法第4章に定める届出によって行うものとする旨規定し,法23条は,転居(一の市町村の区域内において住所を変更することをいう。)をした者は,転居をした日から14日以内に,氏名,住所,転居をした年月日,従前の住所,世帯主についてはその旨,世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主との続柄を市町村長に届け出なければならない旨規定する。
 なお,法38条1項により,地方自治法252条の19第1項の指定都市に対する法の規定の適用については,政令で定めるところにより,区を市と,区の区域を市の区域と,区長を市長とみなすものとされている。
(2) ところで,法4条は,住民の住所に関する法令の規定は,地方自治法10条1項に規定する住民の住所と異なる意義の住所を定めるものと解釈してはならない旨規定し,地方自治法10条1項は,市町村の区域内に住所を有する者は,当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とする旨規定する。そこで,同項に規定する住所の意義について検討するに,およそ法令において人の住所につき法律上の効果を規定している場合,反対の解釈をすべき特段の事由のない限り,住所とは各人の生活の本拠(民法22条参照)を指すものと解されるところ,地方自治法10条1項にいう住所をこれと別異に解すべき特段の事由は見いだせない。したがって,同項にいう住所とは,生活の本拠,すなわち,その者の生活に最も関係の深い一般的生活,全生活の中心を指すものであり,一定の場所がある者の住所であるか否かは,客観的に生活の本拠たる実体を具備しているか否かにより決すべきものと解するのが相当である。そうであるとすれば,法にいう住所についても,同様に,生活の本拠,すなわち,その者の生活に最も関係の深い一般的生活,全生活の中心を指すものであり,一定の場所がある者の住所であるか否かは,客観的に生活の本拠たる実体を具備しているか否かにより決すべきものと解される。
(3) 本件テントの所在地が法にいう住所に該当するか否かについて検討する。
  前記争いのない事実等記載の事実に加え,証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の各事実が認められる。
ア 原告は,b町公園での生活を開始する前は,大阪市k区lm丁目n番o号所在のぱちんこ店の寮に住んでおり,同所を住所として法による届出をしていた(甲12,原告本人)。
イ 原告は,平成10年ないし11年ころ,b町公園に移り,以後1年半ないし2年の間,本件テントの所在地の北方付近に段ボールハウスを造って,同所を起居の場所として日常生活を営んでいた(甲12,原告本人)。
ウ 原告は,平成12年ころから今日に至るまで,b町通りに面したb町公園南西隅に設置された本件テントを起居の場所として日常生活を営んでいる(甲12,原告本人)。
エ b町公園南西隅には野宿者らが設置した約30件のテント(以下「本件テント群」という。)があり,本件テントも本件テント群の一部を構成している。本件テント群を構成する各テントは,いずれも,金属製単管,角材,合板,ベニヤ板,ブルーシート及び簡易テントなどを組み合せて構築されており,本件テントも同様である。本件テントは,その四隅に杭が打ち込まれ,地面に固定されている(甲5,6,12,原告本人)。
オ 本件テント群には,原告を含め20数人が生活している。b町公園内の本件テント群の近くには散水用の水道があり,原告は,同水道を本件テント群で生活する者らと共同で利用し,洗濯も同所で行っている。炊事は簡易のガス器具で行っている。便所は公園の中に設置された便所等を利用している。また,本件テント群で生活する者らの中に発電機を持っている者がおり,これを利用してテレビを視聴するなどしている(甲6,12,原告本人)。
カ 原告は,本件テントに寝泊まりしており,原告以外に本件テントを利用している者はいない。また,原告は,本件テントに隣接して設置され,原告以外の者が起居しているテントをその者とともに食事の場所として利用している。さらに,原告は,本件テント群を構成する別のテント(中に椅子及びテーブルが設置されている。)を居間として本件テント群に生活する20数人とともに共用している(甲6,12,原告本人)。
キ 原告は,缶集め,渋滞調査及び日雇い労働等で生計を立てており,これらの仕事のため本件テントから外出することはあるが,仕事が終われば本件テントに戻っている。原告が本件テントを空けるのは,月1回程度の旅行等の場合くらいである(原告本人)。
ク 原告は,本件テントで日常生活を営むようになってから,本件テントの所在地において,同所在地を住所として表示した原告あての郵便物(配達証明付き郵便を含む。)を多数受け取っている(甲8,9,甲10の1,2,原告本人,弁論の全趣旨)。
ケ 原告は,旅券を取得する必要上,知人である大阪市a区g町h−iA荘j階東B方を住所として法による届出をしたが,同所で生活したことはない(原告本人,弁論の全趣旨)。
コ 住民登録に関しては,以下のような行政実例(住民登録法施行時のものを含む。)が存在する(当裁判所に顕著な事実)。
 (ア) くず物業(くず物を集荷,荷造りしてくず物問屋へ売却)を営んで生活している者で,福井市を貫流するp川に架設されている幸橋の下の堤防際に橋脚を利用し又は木材で支柱して,板又は空の木箱を積み重ねて囲い,天井は古トタンをもって覆い,床を板敷きとして面積1坪半くらいの住まいに窓ガラス,仏像(空箱利用の仏壇に安置),流し,戸棚(空箱利用)その他必要な炊事用具の備えがあり,世帯員は夫婦とその子ども2人の4人暮らしで客年6月ころから居住生活している者であるが,配給通帳は受けていない場合において,上記のような実情にある者につき,同所を住所として認定し,住所の表示を「福井市q町何番地先」として差し支えない(昭和31年2月6日日記戸第103号福井地方法務局長照会・同月15日民事2発第63号民事局第2課長回答)。
 (イ) 洞くつや山中に小屋をかけて物乞いをしている者がほとんど同所に定住して生活している場合,同人については,住民登録法を適用して住民登録させる(昭和29年11月25日茨城県戸籍事務協議会総会決議)。
 (ウ) 刑務所に入所している者については,一般に入所前の住所で住民登録すべきであり当該刑務所を住所と認めないのが相当であるが,入所前住所を有しなかった者その他特別の事情のある者については,本人の申出により,当該入所中の刑務所を住所として,住民登録をする取扱いで差し支えない(昭和36年6月6日民事甲第1339号各法務局長,地方法務局長あて民事局長通達)。
  (5) 上記認定事実によれば,原告は,平成10年ないし11年ころからb町公園を起居の場所として日常生活を営むようになり,平成12年ころから平成16年4月20日の本件不受理処分までの約4年間にわたり,b町公園の南西隅に設置された本件テント群の一部を構成する本件テントを原告の寝泊まりの場所として占用するとともに,本件テント群を構成する他のテントを本件テント群で日常生活を営む他の者らとともに食事の場所や居間として利用し,本件テントから缶集め,渋滞調査及び日雇い労働等の仕事のため外出し,仕事が終われば本件テントに戻ってくるといった日常生活を営んできたものと認められる。この事実に加えて,上記認定のとおり,本件テントを含めて本件テント群を構成する各テントは,いずれも,金属製単管,角材,合板,ベニヤ板,ブルーシート及び簡易テントなどを組み合せて構築されており,本件テントも,その四隅に杭が打ち込まれ,地面に固定された構造物であること及び原告は現在住民基本台帳に記載されている住所地を日常生活の場所として全く利用していないことを併せ考えると,後記のとおり本件テントの所在地について原告が公園管理者である大阪市から都市公園法6条所定の占用許可を受けた事実を認めるに足りる証拠がなく,原告が同所在地について占有権原を有するものとは認められないとしても,同所在地は,客観的にみて,原告の生活に最も関係の深い一般的生活,全生活の中心として,生活の本拠たる実体を具備しているものと認められる。
(6) 被告は,テントのような設置や撤去が容易な簡易工作物は,一時滞在用で定着性がないものであるから,社会通念に照らせば,テント等での生活をもって客観的居住の事実があると認めることはできず,まして,公共利用に供する土地の上に何らの権限もなくテントが設置されている場合は,同テントは除却命令の対象となるなど民有地に設置されている場合と比べてより一層不安定な状態であり,社会通念上定着性があるとは認められないのであり,被告は,本件テントを含むb町公園のテントについては撤去に向けた努力を行っており,b町公園整備計画等により,占有権限のないテントはいずれは撤去されるのであるから,本件テントの土地に対する定着性は極めて不安定であるなどと主張する。
  しかしながら,そもそも,前記(1)において説示した住民基本台帳に関する法令の規定及びその趣旨によれば,住民基本台帳は,これに住民の居住関係の事実と合致した正確な記録をすることによって,住民の居住関係の公証,選挙人名簿の登録その他の住民に関する事務の処理の基礎とするものであるから,市町村長は,法の適用が除外される者以外の者から法23条の規定による転居届があった場合には,その者に当該市町村の区域内において住所を変更した事実があれば,法定の届出事項以外の事由を理由として転居届を受理しないことは許されないというべきである。しかるところ,前記のとおり,法にいう住所とは,生活の本拠を指すものであるから,転居届に住所として記載された場所が客観的に当該届出をする者の生活の本拠たる実体を具備していると認められる限り,市町村長は,当該転居届を受理しなければならないものというべきである。
  このような見地からすれば,一定の場所に係る施設の種類,構造,規模等はあくまでも当該場所が客観的にみてその者の生活の本拠たる実体を具備しているか否かを認定するための一資料にすぎず,当該施設が設置や撤去が容易な簡易工作物であるからといって,その一事をもって直ちに当該場所が生活の本拠たる実体を欠くことになるものではないというべきである。前記認定のとおり,本件テントを含めて本件テント群を構成する各テントは,いずれも,金属製単管,角材,合板,ベニヤ板,ブルーシート及び簡易テントなどを組み合せて構築されており,本件テントも,その四隅に杭が打ち込まれ,地面に固定された構造物であるというのであるから,その構造等に照らしても,本件テントの所在地を原告の生活の本拠と認定する妨げとなるものではない。
  また,その者が当該場所について占有権原を有するか否かは,客観的事実としての生活の本拠たる実体の具備とは本来無関係というべきであり,当該場所が客観的に当該届出をする者の生活の本拠たる実体を具備していると認められるにもかかわらず,その者が当該場所について占有権原を有していないことを理由として市町村長が転居届を受理しないことは許されないものというべきである。本件テントが都市公園であるb町公園の区域内に所在し,本件テントの所在地について原告が公園管理者である大阪市から都市公園法6条所定の占用許可を受けた事実を認めるに足りる証拠はないが,そうであるとしても,前記(5)において認定説示したとおり,本件テントの所在地は,客観的にみて,原告の生活に最も関係の深い一般的生活,全生活の中心として,生活の本拠たる実体を具備しているものと認められるのであり,そうである限り,被告は,本件テントの所在地を住所とする本件転居届を原告が当該所在地について占用許可を受けておらず占有権原を有していないことを理由として受理しないことは許されないものというべきである。
(7) 被告は,郵便配達員は本件テントの所在地が原告の住所であると認識して原告あての郵便物を配達しているわけではないから,郵便物が原告に届いていることをもって当該あて先地(本件テントの所在地)が原告の住所地であるということはできない旨主張する。
  確かに,証拠(乙3)によれば,郵便物の配達は,差出人がその郵便物に記載したあて所に行うものとされており,当該あて所は,住所であるか居所であるか特に限定はされておらず,住所又は居所以外の場所であっても,その住所又は居所の郵便物の配達を受け持つ郵便局において支障がないと認める場所に設置された郵便受箱を使用する者にあてて,又はこれを肩書きした郵便物については配達し,又は交付する取扱いがされており,原告らを含むb町公園のテント居住者あての郵便物についても,b町公園内の郵便受箱が設置されているテントに一括配達することとしているが,実際には,上記郵便受箱に入れるのではなく,ほとんど手渡しの方法によって配達している事実が認められ,この事実に照らすと,本件テントの所在地を原告の住所として表示した原告あての郵便物が同所在地に配達されている事実から直ちに郵便配達員が本件テントの所在地を原告の住所と認識している事実を推認することはできないが,本件テントの所在地が,客観的にみて,原告の生活に最も関係の深い一般的生活,全生活の中心として,生活の本拠たる実体を具備しているものと認められることは,前記(5)において説示したとおりであるから,被告の上記主張は,採用の限りでない。
  (8) 以上のとおり,本件テントの所在地は法にいう住所と認められるから,被告は同所在地を住所とする本件転居届を受理すべきであり,本件不受理処分は違法といわざるを得ない。
 3 以上によれば,原告の請求は理由があるからこれを認容すべきである。
 よって主文のとおり判決する。
   大阪地方裁判所第2民事部

       裁判長裁判官    西  川  知  一  郎

          裁判官    田   中   健   治

          裁判官    石   田   明   彦